岩田町の家はクライアント、構造家、製材所、材木屋などたくさんの関係者と何度も打ち合わせを重ね図面も仕上がってきました。
次はいよいよ製材所「しそうの森の木」と構造材のプレカット打ち合わせです。
打ち合わせで金物の検討などをスムーズに進めるために軸組模型を作りました。
図面だけでは、どうしても立体的なイメージや高さ関係が伝わりにくい部分があります。
模型を使って実際に立体化することで、納まりや、高さ関係など細かい部分まで共通認識を持つことができます。
また、私たち自身にとっても構造の理解を深めることができます。
線で描かれた図面が立ち上がっていくのはとても勉強になりました。
これは1回目に作成した時の軸組模型です。
この時は、しそうの森の木に岩田町の家の軸組を伝えるために作成しました。
今回はその後の構造検討を反映させて、もう一度作り直しました。
これが今回プレカット打合せのため作成した軸組模型です。
まず大きな変更として、一階と中二階の床の高さ関係を再検討しました。
クライアントから、中央の吹き抜けを介して一階と中二階のつながりをより感じやすくしたいとの要望がありました。
その要望を叶えるため居間のフロアレベルを低くし、一階と中二階のレベルの差を小さくしました。
また、登梁の見せ方も変わりました。
当初は屋根の登梁を受けるための梁を屋根の下側に配置していました。
それだと屋根を下から見上げた時に、登梁が伸びていく途中で梁が見えることになります。
変更案では登梁の上(屋根の中)に梁を組む構成にしました。
こうすることで登梁を支える梁は下から見えなくなるため、頂点まで登梁が綺麗に見えるようになります。
学生の頃は軸組模型を作った経験がなかったので、最初は図面を立体に組み替えるのに苦戦しました。
ですが、手を動かしているうちに少しずつ理解が深まり、構造が立ち上がっていく面白さを感じながら進めることができました。
岩田町の家は11月下旬の着工を目指して、打ち合わせや申請業務、金額調整などが進んでいます。
次はプレカット打ち合わせ。実際の構造材がどのように家を形作っていくのか、今からとても楽しみです。
スタッフ 野﨑