第2回MOKスクールに行ってきました!

6月25日、2025年第2回MOKスクールに行ってきました。

 

第1回をブログにすることができていませんでしたが、第1回は毎年同様、大阪工業技術専門学校で行われました。

内容は「大工の伝統技術〜数寄屋大工と宮大工の技を継ぐ」というテーマで、工人堂の中野克彦さんと淡路校舎の藤田大さんの講義を受けました。

大工の世界の厳しさや、細かな技術についてたくさん知ることができ、とても勉強になりました。

 

そして今回の第2回MOKスクールは、大阪木材仲買会館で行われました。

テーマは「建築だけでは空間は成立しない〜家具・庭と共に考える」でした。

 

今回の会場である大阪木材仲買会館について、設計者である竹中工務店の白波瀬智幸さんから説明がありました。

「木をふんだんに使用した、木の殿堂として社会へアピールできる建築」が求められたそうで、一般的に懸念されるメンテナンス性や防災への対応を行うことで、不燃処理などを施さない“生の木材”をふんだんに使用し、都市密集地域において「コンクリートと鉄の街」を「木の森」に変えるビルディングモデルを追求したとのことでした。

 

木をどのように使うかがとてもよく考えられていて、構造材として使っている他にも、水に弱いという木の性質を配慮して軒裏に使っていたり、格子で耐震壁を作っていたり、木の種類や継ぎ方を見せる工夫がされていたりと、いろいろな取り組みがありました。

建物の機能としてそれほど複雑ではないこともあって構造も明快に作られていたり、既存の桜の木を囲むように配置されて視界が広がっていたりと、基本計画の時点でとてもよく練られているのが伝わってきました。

さらに、天井と軒裏を連続させて、外から見てもすっきりした印象になっていたりと、細部まで丁寧に検討されていると感じました。

 

そして、建物に入った瞬間に木のいい香りがふわっと広がっていて、とても心地よく講義を受けることができました。

 

第一講義は「空間は建築から生まれる」というタイトルで、イッケン設計室の吉田隆人さんによる講義でした。

家具から建築、そして庭へとつながる空間の関係性について、吉田さんの実体験をもとにお話をされていて、とても深く心に残る内容でした。

吉田さんご自身の経験から、いまの“かたちづくり”が成り立っていること、そして関係性を何よりも大切にされている姿勢がとても印象的で、そこから生まれる空間には独特の魅力があると感じました。

また、作り手たちとチームとして共に成長し、継続して仕事を続けることを目指す、という考え方もとても素敵だと思いました。

関わる人たちとの信頼関係が、空間づくりにもにじみ出ているように感じました。

 

第二講義は、「造園家の設計アプローチ」というタイトルで、plantaの清野陽介さんによる講義でした。

ご自身の自邸の庭づくりを通して、家族のための庭を試行錯誤しながらつくっていった経験が、今のplantaの庭のスタイルに大きく影響しているというお話でした。

モデルガーデンとしてではなく、あくまで“清野家の庭”として計画されたその空間は、実際の暮らしや思いが反映されていて、そこにとても強いパーソナリティが感じられました。

庭というのは、ただ見た目がきれいなだけでなく、その人らしさや日々の暮らしがにじみ出るものなんだと改めて感じ、実際に見てみたいなと思いました。

 

そして三講義目には、講義をしてくださったお二人と、MOKスクールの理事でもある株式会社swingの小泉宙生さんによる対談がありました。

 

その中で特に印象に残っているのが、レミングハウスの中村好文さんの「普通であること」という言葉についてのやりとりです。

普通であることとは、決して特別なことではなく、日常にすっと溶け込むような、自然で心地よい空間をつくること。派手さや奇抜さではなく、素材の質感や光の取り込み方、使い勝手などを丁寧に考えて、そこに暮らす人の生活にしっかりと寄り添った建築。それが、普遍的な価値を持つ空間につながっていく、というお話でした。

 

それに対して吉田さんは「普通である」ということが、デザインの本質に立ち返るようなことだと話されていて、小泉さんは「普通って実はとても難しい。でも、特別な“普通”であることが大切」と言われていて、三者三様の考えがとても興味深かったです。

 

設計の仕事では、どうしても「デザイン性」や「かっこよさ」が優先されがちで、どこか肩に力が入ってしまうこともありますが、「普通」という視点から見つめ直すことの大切さを改めて感じました。

奇抜であることよりも、丁寧につくられている空間こそが、人にとって本当に居心地のいい場所なのかもしれません。

 

そして今回も、講義のあとに懇親会がありました。

懇親会では、普段なかなか話す機会のないような方々とも気軽に話すことができて、毎回いろんな出会いがあります。

 

ちなみに、前回の懇親会では、たまたま日野さんの隣の席に座られていた方とのご縁で、島根県への伐採ツアーが決まるという出来事もありました。

そんな風に、思いがけないつながりがあるのもMOKスクールの魅力のひとつだなと感じています。

 

MOKスクールは、木造について深く学べるだけでなく、たくさんの人との出会いやつながりが生まれる、とても素敵な場所です。

 

これからも参加して、学びを深めながら、いろんな人たちとのつながりを大切にしていきたいと思います。

 

WASH建築設計室 スタッフ 野﨑

 

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