滋賀県草津市で築200年のお寺の改修計画を進めています。
これまでに現地調査を行い、お施主さんと打ち合わせを重ねてきました。
そして、無事に設計契約を結ぶことができました。
現在は、次回の設計打ち合わせに向けて「耐震構造」のご説明を準備中です。
お寺のような伝統木造建築では、言葉や図面だけではなかなかイメージが伝わりづらい部分もあるため、今回は軸組模型を使ってご説明することにしました。
今回の軸組模型は、木材で作成することになり、材料はコーナンで調達しました。
角材や丸材など、必要なものをまとめて購入。
改めて思いましたが、コーナンは本当に何でも売ってますね。
建築学生の頃から模型づくりで何度もお世話になっていたので、なんだか懐かしい気持ちにもなりました。
そして、いよいよ模型制作スタートです。
今回の改修工事は、学校などでも関わりのあるきつね森にお願いすることになりました。
軸組模型の制作も、きつね森の北垣くんに手伝ってもらい、二人で作業しました。
まずは、日野さんが作ってくださった木の基盤の上に、図面配置し、図面の読み込みをし作成の流れを確認しました。
図面で確認した長さにあわせて、木材を切っていきます。
ここで大活躍だったのが、北垣くんが前日に作ってきてくれていたノコギリ用の治具。
これがあるおかげで、材をまっすぐ、そして楽にカットすることができました。
こういう細かい準備に助けられました。
切った材はすぐに接着せず、まずは図面の上に仮置きして、位置や寸法を確認していきます。
この確認作業を丁寧に行うことで、組み立てたときの精度もぐっと上がります。
立面も同様に、図面を確認しながら材をカットして配置。
ここからは実際に接着して、どんどん組み上げていきました。
柱や梁がつながり、少しずつ全体のかたちが見えてきます。
こうして立体になると、図面だけでは見えづらかった構造のつながりがとてもよく分かります。
どんどん組み上がっていき、全体の形が見えてきました。
細かい部分も多くなってきたので、ピンセットを使いながら慎重に作業を進めています。
小さな材を正確に接着するには集中力が必要ですが、形になっていくのが楽しい時間でもあります。
今回の軸組模型では、既存部分と新しく改修する部分で木材の色を変える予定です。
まずは既存部分をすべて組み上げ、後から塗装スプレーで色を調整することで、違いがわかりやすくなるように工夫しています。
現在は、既存部分の組み立てを優先して進めている段階で、これから塗装スプレーをしていきます。
1日で作業を終えることができなかったので、途中まで作った模型を持ち帰り、次回の設計打ち合わせに向けてあまり時間がないので少し急ぎながらも丁寧に、引き続き制作を進めていきます。
そして今回の模型づくりを通して、自分自身の学びにもなっていると実感しています。
わたし自身、まだまだ構造や軸組についてわかっていないことも多く、作業中に北垣くんに部材の名称を教えてもらったり、確認しながら進めることで理解が深まっていると感じています。
このお寺の改修がどのように進んでいくのか、今後もブログで発信していきたいと思います。
着工が楽しみです。
WASH建築設計室 スタッフ 野﨑