大阪市旭区太子橋のいえ。
築90年を超える古民家を性能向上リフォームし、次の100年を見据えた再生を目指します。
耐震性能、断熱性能も改善し、増改築版の長期優良住宅をとれるレベルまで改修する計画です。
和室(月・花)の天井板が外されていました。もともと割れていたところ以外はキレイに外すことができました。
天井は竿縁天井で、竿の部分とその間の板の部分は再利用するので丁寧に外す必要がありました。
天井は外さないと、屋根組の構造補強や、天井裏の断熱補強ができないので何せ一度外す必要はあったのです。
大工さんの丁寧な作業に感謝です。
こちらは洋間の壁の撤去の様子です。
この写真に写っているオレンジ色の天井の下に、白い普通の天井があったのですがそれを剥がすとこの昔の天井が出てきました。
建築当初は応接間として設計されていたのが、いつかの時代に改装されてリビングになった際に天井を作ったのだと思います。
今回、この出てきた天井を生かしたいという気持ちもありましたが、この部屋を防音室とする計画になったため残念ながら使えません。
防音室の天井の仕様はかなり厳密で、この天井を使っても隙間が出てしまい防音性能を確保できないのです。
しかし、この天井を撤去してしまうのは勿体無いので、これを残してこの天井の下側に新たに天井をつくることになりました。
束の間のお目見えとなってしまいましたが、将来、防音室から次の用途に改装されるときに活かされる日が来るかもしれません。
解体工事をすると、調査の時にはわからなかったことが時々発見されます。
状況を刻一刻と把握し、判断をしていくのが設計監理を行う私たちの仕事です。