冬や夏の厳しい時期を過ごすためには、住む人にとって「健康」で「快適」な室温を保つことが大切です。
実際にどのくらいの室温があれば健康でいられて快適と感じるのでしょうか。
冬のパッシブ住宅
太陽の暖かい光が窓を通して室内に入り込んでくると、室内が暖かくなります。
このように太陽の光から熱放射を受けることを、「日射取得」といいます。
日射取得率は、窓や壁の計画で高めることができます。
例えば、温度むらの少ない熱放射を受ける窓を使う、
蓄熱材を効果的に活用するなど、
熱放射を受けやすく、また蓄熱しやすい住宅づくりができます。
日射取得率が高い住宅では、
・室温が暖かくなる
・暖かい室温を維持できる
・暖房エネルギー(暖房費)の削減
など、メリットがたくさんあります。
窓や蓄熱材等を効果的に活用することで、
最低限の暖房費で暖かい冬のパッシブ住宅の計画ができます。
適切な暖冷房スケジュール
いかに日射取得率の高い家でも、冬に自然室温のみで過ごすことはかないません。
健康性と快適性のためには、暖房や薪ストーブなどを使い部屋を暖める必要があります。
ただし、温熱性能の高い住宅であれば、常に部屋を暖め続ける必要はないのです。
例えば、
就寝前の1時間+起床した1時間+日が落ちてかの3時間
というように、室温変化と住まい手の生活リズムを照らし合わせながら
暖房スケジュールを決め、 目標の室温を維持することができます。
冬季における暖房スケジュールの決定はたいへん重要となります。
夏のパッシブ住宅
夏の日射が室内へ侵入するのを防いだり、断熱性能を良くしたりなど、
太陽の光からの熱放射を遮断することを、「日射遮断」といいます。
日射遮蔽の高い住宅は、温度のコントロールがしやすいため、室温を涼しく保ち、冷房エネルギーを削減できます。
「窓」
太陽高度の高い南側に面している窓は、庇やオーニングなどを設置することで、
夏の日射が室内へ侵入するのを遮断することができます。
また、東西面の日当りの良い窓には、夏季にカーテンやすだれ、ブラインドなどを設けることで、日射遮蔽率が高まります。
「断熱」
屋根や壁をしっかり断熱することで、表面温度や体感温度を下げることができます。
表面温度が高い家と低い家のどちらも室温が30℃だとします。
体感温度=(室温+表面温度)/2
となりますので、屋根断熱された家のほうが、住んでいて涼しいと感じるのです。
屋根や壁をしっかり断熱することは非常に有効的といえます。
日射遮断率が高い家であれば、冷房を行っていても冷房エネルギーがより少なく済みます。
適切な冷房スケジュール
夏季においては、在宅している間は連続冷房をする必要があります。
夏に冷房をしていない部屋は、外気温以上に熱がこもり、室温が40℃近くまで上昇することもあるからです。
夏季は温度差による健康面へのリスクはほとんどないため、
冷房スケジュールは、在宅時の在宅エリアを冷房するということになります。
就寝時については、就寝時間帯の0時〜6時を冷房にするか通風にするかは、
安定的な涼しさを望むか、外気を好むかなど、住まい手の体感や天候などにより選択することをお勧めしています。
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