昨年の夏に耐震診断と現況調査に入らせてもらった兵庫県の太子町の古民家。
現状の建物の耐震診断の後、耐震補強の計画も提案させていただきました。
補助金の申請などが進み、今年度いよいよ耐震補強の工事が始まっています。
建物の解体が概ね終わりましたので、耐震補強の計画が実際に施工可能かどうか、現場で確認をしてきました。
写真は傾いた構造躯体を油圧式のジャッキであげている様子です。
土壁や土葺屋根を使った古民家は非常に重量があり、場所によって柱が沈下して傾いていることが多々あります。
傾きはそのままにして耐震工事をしてしまうこともよくあるのですが、今回は大工さんが過去に引き屋の経験もあり建物を持ち上げ慣れています。
せっかくなのでということでできる限り傾きの補正を行ってくださっていました。
耐震性能的には多少は傾いたままでも補強はできるのですが、傾きを直せる方が建具の可動など実際のところありがたくあります。
「せっかくなら」でやれる限りのことをしてくれる大工さんには頭が上がりません。
ちなみに持ち上げている柱の足元を見ると、柱が継がれていることがわかります。
これは過去、別の所で建っていた建物をこの土地に移築してきた痕跡ということです。
長い間大切に使われていた住まいを、今後さらに活かしていけるような工事になることを祈っております。
WASH建築設計室 日野


