大阪市旭区の長屋の耐震診断を行いました。
7戸の長屋で、住まい手が住みながらの調査となりました。
時間を区切って調査をするなど、工夫をしながら少数精鋭での調査となりました。
屋根裏の調査の様子です。
耐震診断に必要な情報を集めます。
築約80年ですので、その当時の建物のつくりになります。
金物や構造用合板といったものは特になく、昔からの土壁、竹木舞、ホゾといったもので構成されています。
長屋特有の界壁はちきんと屋根面まで達しておりました。
床下も調査します。
お住まいのお宅からは入ることができませんでしたので、空き家となっている住戸から調査しました。
築約80年なので基礎はなく石場建ての構造かと思っていましたが、界壁の下や主要な部分の下には布基礎が確認されました。
ただ、鉄筋探査機での調査の結果鉄筋は確認できませんでした。
増築部の布基礎は構成が色々で、少しややこしい構成です。
屋根は健全でした。
時々、住戸ごとに屋根を葺き替えて煩雑になってしまっている長屋もありますが、ここは全て同じ屋根でスッキリしています。
また、目立った劣化もなく、健全です。
樋もつまりなどはないことを確認しました。
耐震診断は建物の劣化の状況も計算に反映されます。
空き家になっている住戸は劣化が多めに確認されました。
劣化箇所の修繕、また原因がある場合はその改修が大切になります。
調査は問題なく無事に終えることができました。
これから1ヶ月程度かけて、耐震診断と報告書の作成を行います。
また、大阪市の耐震診断の補助金も受給予定ですので、その手続きも進めることになります。
年度末は補助金の報告が多く、事務所はバタバタとしています。
一つづつ丁寧に、進めていきたいと思います。
WASH建築設計室 日野弘一