大阪府富田林市の古民家の調査のお手伝いに行ってきました。
この日は床下の調査のリーダーとして、床下に潜りました。
床下にあった劣化事象を説明します。
これはシロアリに木材が食べられる”蟻害”です。
今はもうシロアリは見つかりませんでしたが、材料の内部がスカスカになっています。
見た目は問題ない材料でも、ドライバーで打診してみると見つかることがあります。
これは大引材なので大きく問題はありませんが周辺に被害が広がっていないか注意が必要です。
これはシロアリの作る”蟻道”です。
土で作られたトンネルのようなもので、日光を嫌うシロアリはこの 中を通って移動します。
この材料自体はそこまで食べられていませんでしたが、周辺に被害がないか注意が必要です。
左の写真の縦の材料は柱です。
石場建ての建物は地面の上の束石の上に柱がおりてきています。
そしてよくみると水染みがあります。含水率を測定すると、なんと48%でした。
このくらいの年数が経った建物の構造材の含水率は10%を切っていることが多いです。
その中で、これだけ含水率が高いということは、地面からの湿気などで慢性的に湿っている可能性があります。そうなるとシロアリや腐朽菌による劣化が発生する危険性が高い状態にありますので問題です。今は材料の欠損を伴う劣化は見られませんでしたが、注意が必要な箇所になります。
これは劣化ではないですが、柱が乗っている束石の下側が彫られて束石が浮いてしまっています。
何があったのかはわかりませんが、不安定な状態です。
また床下には様々なものが落ちています。
今回は左の写真のくまのぬいぐるみを見つけた時は初め何かわからずびっくりしました。。。
右の写真は何か動物のミイラ?のようなものもありました。
他にも何かが白骨化したものが見つかったり、ドキドキの調査となりました。
床下は普段生活をしていてもどうなっているかわからない部分ですが、
劣化などの問題が一番発生しやすい場所でもあります。
現況調査や耐震診断などで定期的な点検をお勧めします。
WASH建築設計室 日野弘一