冬のパッシブ住宅

冬を快適に過ごすためには、住む人にとって「健康」で「快適」な室温を保つことが大切です。

では、実際にどのくらいの室温があれば健康でいられて快適と感じるのでしょうか。

また、理想の室温を保つために、なるべく消費電力を抑えることができると、家計にも環境にもやさしいですね。

 

そんな冬期のパッシブ住宅について、くわしく説明していきます。

 

冬に健康で快適な室温

 

WASH建築設計室では、暮らしていて健康でいられること、そして快適に過ごせること

その両方が実現できる住まいづくりを提案しています。

 

「健康性」

健康面については、人によって差があります。

そのため、健康リスクの高い高齢者に焦点を当てて考えていきます。

 

英国保険省によると、高齢者が健康でいられる室温は18℃以上であると言われています。

居室では21℃前後に設定されている方も多くおられるため、18℃は寒さを感じるかもしれません。

しかし、高齢者が健康でいられるためには、室温を最低でも18℃に保っていれば良いということになります。

 

「快適性」

暑い時や寒い時に、何%の人がその環境に対して不満に思うかを表す「PPD指数」というものがあります。

 

薄手のフリースを着た人でPPD指数を調査すると、約15℃でPPD20%、約17.5℃でPPD10%という結果になるそうです。

 

ISOでは、PPD10%以下となるような温熱環境を推奨しています。

ISO基準であればPPD20%は快適な環境であるとは言えないかもしれませんが、

PPD20%は決して高くない数値です。

こうした室温の時間帯を最小限にすることを考えれば、

最低室温を15℃に保つこで、最低限許容できるくらいの快適な環境と言えます。

 

 

一般的に最低室温は、起床時の寝室、寝室から移動したLDKで発生します。

この時間帯に室温を15℃(高齢者には18℃)に保つことができれば、健康で快適な温熱環境の実現が可能となります。

 

温度差に対する評価

「ヒートショック」

全国で年間約1万4000人が入浴中に亡くなっていると言われています。

その原因の多くはヒートショックであるそうです。

 

暖房をした暖かい部屋にいても、寒い廊下やトイレや浴室に移動すると、家の中でも急激な温度差が起こり、血圧が大きく変動して心筋梗塞や脳梗塞など身体への悪影響を起こします。

 

国土交通省では、ヒートショックを防ぐために、暖房した居室と暖房のない非居室との温度差を、5℃以内に抑えることが推奨されています。

もしくは、血圧上昇が10mmHg以下であれば、高齢者の健康リスクが低いため、トイレや廊下、浴室などの非暖房居室でも17℃以上あることが安心して暮らせる最低レベルとなります。

 

冬期の日射取得の効果

太陽の暖かい光が窓を通して室内に入り込んでくると、室内の壁や床の表面温度が上がるため、室内も暖かくなります。このように太陽の光から熱放射を受けることを日射取得といいます。

 

日射取得率は、窓や壁の計画で高めることができます。

そして、日射取得率が高い住宅では、

・暖房エネルギー(暖房費)の削減

・室温が暖かい

などの効果があります。

 

つまり、効率的で温度むらの少ない熱放射を受ける窓や、蓄熱材を効果的に活用することで、最低限の暖房費で暖かい室温のパッシブ住宅の計画ができます。

 

適切な暖冷房スケジュール

効率的な日射取得が取れた家でも、冬のリビングで健康で快適に過ごすためには自然室温のみではかなわないため、暖房や薪ストーブを使う必要があります。

しかし、温熱性能の高い住宅であれば、最低限の目標の室温を維持するために、常に暖房する必要はありません。

例えば、就寝前の1時間、起床した1時間、日が落ちてからの3時間を暖房で暖めるなど、住まい手の生活リズムに合わせた暖房スケジュールを決めることで、暖房エネルギーが少なくて健康で快適な生活をすることができます。